本当のヒーローとは?
ヒーローと言えば、『キャプテン・アメリカ』、『アイアンマン』や『スパイダーマン』など、映画で登場する、人類や世界を救うスーパーヒーローたちを思い浮かべる人が多いでしょう。
現実世界でのヒーローについて、1000年前に南インド出身の寂天尊師は独特な解釈を提唱しています。それは、本当のヒーローは世界を救う勇者ではない、誰もがなれるものだと。 例えば、仕事帰りで疲れ果てた奥さんがいるとします。彼女は旦那さんにお疲れと温かく抱きしめてもらいたかったのにも関わらず、理由もなく怒鳴られてしまいました。
しかし、彼女は自分の怒りを抑える選択をしました。寂天尊師はこのように対応できる彼女が本当のヒーローだと言っています。
外面的な戦い VS 内面的な戦い
金銭問題やビジネス競争、政治問題のような外面的な戦いも辛いですが、人間の内面的な戦いに比べたら、まだまだ容易です。内面的な戦いとは、自分の意識の中で、もう一人の悪の自分、怒りの自分と戦うことです。その戦いに勝てる人はごくわずかしかいませんが、勝つために、日々の練習と、何より勝つ勇気が無くてはなりません。
怒りの自分を制御できるのであれば、人生は楽になり、無敵になるのです。そして、人間関係や職場にトラブルがあったとしても、感情的に怒らなくなり、本当のヒーローになることができます。怒りに振り回されない人は、何をやっても成功し、最高の人生を送ることができます。
怒りの4段階
怒りと戦うには、どうしたらいいでしょうか。実は、怒りのレベルは4段階に分かれています。一番最後の第4段階目からご紹介します。
第4段階:怨恨・恨み
5年や10年以上前に別れた相手に対する負の感情。このような怒りは長年溜め込み、常にモヤモヤして、重い物に圧迫されたように心が苦しく辛い状態です。この時、怒りと戦うには既に手遅れです。この怒りの種は数年前に蒔いてしまったものなので、除去するのは難しいです。熱いと言いながら、熱されたフライ
パンを素手で持っているようなものです。一刻も早く手放しましょう。
第3段階:怒る
怒りの勢いが強く相手を傷つける言葉や行き過ぎた行動をしてしまう。気が狂い、意識のコントロールができなくなる状態。この時のあなたは、既に怒りに制圧されているので、怒りを抑えられません。
第2段階:イライラする
イライラしていますが、黙ったまま口にも出しません。意識の中で、怒りはまだ完全に占領していない状態。『なぜ、こんなひどい話をするの?」、「なんで協力してくれないの」のような不満の声が意識のバックグラウンドでこっそりと繰り返し再生しています。この時は、怒りに勝てるかもしれませんが、勝率はたった25%しかありません。
第1段階:オフバランス
例えば、気分良く過ごしていたつもりが、突然周りの人の不機嫌そうな表情を見ると、「それはどういう意味?なんで私に」と、せっかくの良い気分が台無しになった、と思うことはありませんか?このような場合は、怒りを鎮めるのに最適なタイミングとなります。なんと勝率は75%もあります。もし、このままの状態で気付かないまま、コントロールできないのであれば、10分後には怒りだすでしょう。それでもストップがきかない場合、40分後に激しい怒りになり、大声を出し
たりするでしょう。更に放置していくと、20年後には、恨みまで段階が上がり、精神的にダメージを与えてしまいます。
怒りを鎮めるために、感情の波紋が広がり始める最初の5分間に、『ペンの話』を思い出してください。周りのすべてが自分の意識の種から来るものです。怒りが始まる前に、その悪い種を断ち切りましょう。そうすると、生活の中で関わる怒りっぽい人やイライラする人が徐々に少なくなります。あなたの人生は益々ピースフルで幸せになるでしょう。
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