
自分のことを一番に考えるのが人間の本性ですが、古い経典ではそのような自分本位の考えに気を付けなければならないと記されています。
なぜでしょうか? そのような考えを持ち続けると、私たちは自分が持っているものに執着し、他人とのいさかいや争いが生じやすくなるからです。
争いの敵とは
なぜ争いが起こるのでしょうか?
日常生活では、他人と口論した時、本能的に怒りを感じて、衝動的に反発したくなるでしょう。それが更なる争いを引き起こすに違いありません。この争いの種が成熟すると、次の争いにつながり、悪循環が始まるのです。
いまこの時も、地球上では戦争が続いている国や地方があります。 戦争や紛争に直面したとき、本当の「敵」が誰であるかを忘れてはなりません。「台所にいる二人の旦那さん」というストーリーでは、争いの問題に解決のヒントを与えてくれます。
私たちは、自分を怒らせる根本的な原因が何かを理解していないのです。それは過去に蒔いた種が現在の自分を怒らせるからです。
まずは、本当の敵が誰なのかを理解する必要があります。
本当の敵は「自分本位/自分を優先すること」であり、自分を宝物のように大事にし、自分のニーズを最優先に考え、自分の幸せだけを求め、話がかみ合わないと怒ったり腹を立てたりすることなのです。
ですから、私たちは「自分本位」という考え方に打ち勝つ必要があるのです。
これは長期的にチャレンジして克服する課題です。誰もこの敵を一日で打ち負かすことができないからです。
そもそも、なぜこのようなことが起こるのでしょうか? 次々と紛争や戦いの場面を見たいと思いますか? ほとんどの人は、自分の悪い種に振り回され、ネガティブな思考でいっぱいになるでしょう。
もし「敵」の正体が理解できたのならば、自分を優先してしまう考えを今すぐに止めて、代わりに、他の人をサポートしたり、貢献したりして幸せや喜びの祝福を周りに送ってみませんか?
自分本位や自分を愛することはいけないことなのでしょうか?
私たちは皆、ハッピーで幸せになりたいと思っています。
それは、正しい方法で手に入れるのであれば、何も悪いことではありません。
ここで、正しい方法とは、「ペンストーリー」を思い出します。
何かを手に入れたいのであれば、まずそれを誰かに与えなければならないことを理解するべきです。
「欲しいものを手に入れることはできますが、その方法は、まず誰かに与えることなのです」とゲシェ先生は言っています。
もし、物事がどこから来ているかを理解していれば、自分本位という考えは無くなります。 なぜなら、物事の由来の正体を知っている人は、何かを手に入れるためには、それを与えなければならないことをわかっているからです。
それを知らないと、ついつい自分を優先してしまい、欲しいものをいち早く手に入れるために周りとの争いが生じてしまうのです。
自分本位という考えをなくす方法は、正しい世界観の理解を深めるうえに、日常の生活において、人のためになることを自ら喜んでやることです。
周りに目を向け、みんなが何を必要としているかを観察し、その人のために何かしてあげることです。その人をサポートすることなら、どんなことでもよいのです。
自分に目を向けなくなると、よりたくさん良い種を蒔くチャンスが増え、より幸せになれるのです。
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